読み屋(@Books_Yomiya)です。
毎日の仕事の中で、何となく仕事をしていて、気づいたら定時を迎えていた…という経験はないでしょうか。
もしくは毎日スケジュールを立ててはいるけれども、あまり効率が上がらない、またはスケジュール通りに進まない…という方も多いのではないでしょうか。
仕事をする上で、スケジュールを立てるということを必ず一度は実行したことがあると思いますが、スケジュール通り事が運んでいるという方は案外少ないようです。
今回は、人のパフォーマンスを最大化できるような心理学的観点から、「理想的なスケジュールの立て方」を解説します。
ぜひ参考にしてください。
理想的なスケジュールの前に概日リズムを理解しよう
概日リズムとは何か?
概日リズムとは、簡単にまとめると以下です。
もう少し詳しく話をすると、人間には1日の中で内部サイクルが備わっており、毎日のサイクルによって、352を超える体内機能が制御されていると言われています。
私たちの内部の中核体温は24時間周期で変化しており、これは概日リズムという体内時計に関連しています。消化機能や免疫機能も同様で、免疫システムは日中により活発になると言われています。
このように、人の身体には概日リズムというものがあり、この概日リズムに合わせて各機能が働いているのです。
私たち哺乳類のほとんどは、太陽の周りを回る地球と一致する24時間前後の概日リズムを持っているということが分かっています。
また、私たちの注意力や集中力なども同様に概日リズムがあり、一日を通して変化します。
この概日リズムには個人差があると言われていますが、一般的には以下のように朝起きてから注意力が上がり始め、正午あたりにピークを迎えます。
更に午後3時に注意力は底を打ち、その後午後6時まで再び上昇するのです。
あくまでも個人差があるため一概には言えませんが、日々仕事する上で、あなたはどの時間帯に注意力のピークを迎えるのか、感覚的に把握できているのではないでしょうか。
お昼の休憩を過ぎてすぐに眠たくなるようであれば、おおむね上記のような概日リズムを持っていると言えるでしょう。
スタンフォード式最高の睡眠でも言及されていますが、人は元々二相睡眠(夜だけでなく昼寝もする)であったため、昼寝のために上記のように正午から午後にかけて注意力が低下する概日リズムを持っていると言われています。
さて、理想的な1日のスケジュールを立てる上で、この概日リズムの理解は外せません。
この概日リズムに合わせてあなたのスケジュールを立てていくのが、何よりも賢い戦略なのです。
自分が夜型人間だと思ったら?
もし、あなたが朝起きるのが苦手で夜遅くまで寝られないというのであれば、それは上記のような一般的な概日リズムから外れている可能性が高いです。
夜型人間の場合の戦略は、一般的な朝型の生活をあきらめ、あくまでも自分の概日リズムに則った生活をするのがベストです。
デンマークのある学校で行われた研究では、7年~9年生に柔軟な時間を導入したそうです。特定のクラスにおいて、徒はクロノタイプに応じて、午前8時から10時までと午後2時から4時までの時間帯を選択できるようにしたそうです。1年後、成績は平均6.1から6.7に上昇したそうです。
概日リズムというのは習慣ではなく、基本的に遺伝で決まっており、変えることが難しいため、自分の遺伝子に従ったライフスタイルを構築していくのが何よりもベターです。
現在ではフレックス制を導入している会社も多いので、朝型の社会に合わせるのではなく、出社時間と退勤時間をずらすなど、自分の概日リズムに則った生活を送るよう工夫しましょう。
理想的なスケジュールの立て方とは
概日リズムに則った理想的なスケジュール
一般的に人の分析能力や注意力というのは、正午をピークにしています。
そのため、重要な仕事や会議ほど、正午までに終わらせてしまうことが望ましいと考えています。
一方、お昼を過ぎてから午後3時まで、人の注意力はどんどん底を打っていきますので、この間には重要ではないメールの処理など、簡単な仕事を入れるのがベターです。
また、ある研究では、朝の目覚め直後というのはストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが高くなる傾向があります。
つまり、朝の目覚め直後というのは身体が警戒している状態であるため、人からアドバイスをもらうなど、相談事をするならば朝一が好ましいでしょう。
また、スタンフォード式最高の睡眠をはじめ、数々の研究で、人というのは昼と夜2回眠る、二相睡眠の習慣を持っていたと言われています。従って、スケジュールに追加したほうがいい行動として、可能ならば昼休みに20分ほど昼寝をするのが好ましいでしょう。
昼寝をすることで、ある程度注意力や集中力を回復できると言われています。
更にあなたのスケジュールに追加したい行動
デスクワークが中心になると、そもそもの活動量が低下し、血流が悪くなります。
ハーバードビジネスレビューでも言及されていますが、定期的に運動することで脳に流れる血流が増え、集中力が向上します。脳の記憶領域を活性化するため、情報を素早く吸収することができるほか、あなたの気分もポジティブになるのです。
従って、特に重要なタスクを取り組む前には、軽く散歩をするなど、脳への血流を増やして、意図的に集中力を高める活動をしておくことがベターです。
理想的なスケジュールの立て方まとめ
理想的なスケジュールの立て方について、要点をまとめました。ぜひ参考にしてみて下さい。
- 概日リズムに則ってスケジュールを立てるのがベスト
- 一般的な概日リズムでは、注意力のピークは正午で、おおよそ午後3時頃まで下がり続ける。そこから6時ごろまでは再び上昇する。
- ただし、概日リズムには個人差があるため、一様に同じ習慣を敷くべきではない。
- 人はもともと2相睡眠であるため、昼寝は注意力を回復する上で必要な行動
- スケジュールの中に運動を追加しよう。運動することで、集中力を向上させる可能性がある。